２００５年１１月２８日
経済産業省
商務情報政策局
商務流通グループ商務課　御中

制裁についての申立書（対・光陽トラスト）

先物取引被害全国研究会
代表幹事　　 　山�ｱ敏彦
同事務局長 　斎藤英樹

１．商品先物取引市場に、地方自治体の公金取扱者などによる横領公金が流入するという事件が続発しています。多くの場合、公金取扱者は業務上横領罪等により厳罰を受けるのですが、これを勧誘し多額の横領金を委託証拠金として受領した受託業者や当該外務員が処罰されるということはほとんどないというのが現状です。反対に、巨額の収益をもたらしたことにより、取締役に抜擢された例すらあります。
　　このような現状が、同種事件の続発要因であることは明らかと言えます。

２．ところで、昨年８月１４日長崎新聞に旧玉之浦町（五島市に合併）の収入役が同町の公金６，０００万円を横領して先物取引受託会社（光陽トラスト）との先物取引に費消し、「先物取引の相手にのせられた。申し訳ありません」との遺書を残して自殺した旨の記事が掲載されました。
　　また、本年９月７日同新聞に、同収入役は６，５００万円の横領金のうち約３，８００万円を、公人である収入役名義で同社に振込んでいた旨の記事が掲載されました（別紙のとおり）。
　　当研究会が、この事件について調査したところ、９月７日の報道内容は五島市において調査され市議会に報告されたものであり、横領事実、収入役名義での振込送金、五島市による債権者代位による損額賠償等いずれも裏付けがあり、事実であることが確認できました。

３．これまでの同種事件では、外務員の「横領事実について知らなかった」との弁解により処罰に至らなかったと考えられますが、本件においては収入役名義での振込ですから、光陽トラストの預金通帳には「タマノウラチョウシュウニ」と同町収入役と分かる入金記帳がなされており、光陽トラストは公金と知って合計３，８００万円もの預託を受け入れていたことは明白です。

４．また、更なる調査の結果、同収入役の取引期間は１９９９年１１月から２００３年１２月に及び、差引差損約７，３００万円のうち約６，５００万円が手数料であること、収入役名義による振込は２０００年９月と１０月の２回であること、主たる損失が貴庁所管にかかる中部取引所のガソリン取引であることが判明しております。

５．以上により、当研究会は、今後の同種事件予防の見地から、貴庁に対して、しかるべき調査のうえ、上記の件につき光陽トラスト株式会社、担当外務員及び横領公金たることを知って預託を受け入れた同社役職員に対するしかるべき制裁を求めるものです。
以上